1.トラブらない、適切な労務管理について
介護事業・障害福祉事業の特徴の一つとして、離職率の高さがあります。
それは、介護事業所・障害福祉事業所は慢性的な人出不足ですし、経験者ほど再就職の際に優遇されますので、介護事業所・障害福祉事業所で勤務される従業員さんは、
「ここが嫌なら直ぐに辞めて別のところで働けば良い」
と、思われている方が多いのも要因の一つです。
介護事業所・障害福祉事業所を退職した後、別の業界に就職される方は比較的少なく、同じ介護事業所・障害福祉事業所に再就職される方が多いです。
介護事業所・障害福祉事業所の間で転職を繰り返している人ほど、法律に精通している人が多く、会社としては雇い難いのも事実です。
また、
助成金を受給するためには、適切な勤怠管理が必要です。労働法に違反していては、絶対に助成金は受給できません。
ここでは、介護事業所・障害福祉事業所さんから、特に多い質問をまとめましたのご参考にしてください。
ひまわり事務所HP【適切な労務管理】については、こちらをご覧ください。
このリンクは、このひまわり事務所HPに飛びます。
2.適切な就業規則の作成
就業規則とは、労働者に支払う賃金や労働時間などの労働条件や職場秩序を維持するために労働者が守るべきルールなどについて、使用者が書面に作成し明文化した職場の決まりごとをいいます。
会社を経営していると、問題のある従業員の処遇に困ることは多々あります。
そのような従業員を、処罰する根拠となるのが就業規則です。
しかし近年の法律は、労働者にとって、より有利なように改正されてきております。
ですから経営者として会社を守りたいのであれば、就業規則をただ作ればいいのではなく、会社により有利な内容の就業規則にしておく必要があります。
また、就業規則を整備することによって、まともで一生懸命がんばっている従業員の愛社精神を大きくさせ、社長・従業員が一丸となって、経営をよくしていくことができるものです。
岐阜ひまわり事務所では、会社に有利な就業規則の作成・変更を行います
お問い合わせください。私たちが応対します。
(1).就業規則の作成義務のある事業所
では、法律上、就業規則の作成義務のある会社とはなんでしょう?
労働基準法ではパートタイマー等を含め常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出ることが義務付けられています。
一方、規模10人未満の事業場には就業規則は課せられていないことになりますが、従業員に労働条件を明示する義務があることは規模10人以上の場合と同様です。
ですから、規模10人未満の事業場であっても、就業規則を作成しておくことが望ましいと言えます。
もっとも、就業規則を行政官庁に届け出る必要はありません。
(2).労働者の意見を聴く
では、どのように就業規則を作るのでしょう。
労働基準法第90条によれば、使用者は、就業規則を作成し、または変更するときには、その事業場の労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければいけません。と、なっています。
就業規則の作成・変更時に労働者がそれに関わる機会を与えているわけです。
就業規則の作成・変更時に意見を聞かなくてはならない労働者の代表者とは、
〇 労働組合
〇 労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者
です。
パートタイマーなどに係る就業規則を作成・変更するときは、上記の労働者の代表者に加え、パートタイム労働者の過半数を代表する者の意見を聴くことも求められています。
すなわち、パートタイム労働者についても就業規則は適用されるのです。
【パートタイマーを雇用する場合】につきましては、こちらをご覧下さい。
(3).就業規則の届出
次に就業規則を作成した後の事をご説明します。
就業規則を作成・変更したときは、労働者の代表者の意見書を添えて労働基準監督署長へ届け出なければなりません。
(4).就業規則の記載事項
就業規則記載事項には、就業規則の絶対的必要記載事項と就業規則の相対的必要記載事項とがあります。
就業規則には、必ず記載しなければならない事項があります。
この必ず記載しなければならない事項を就業規則の絶対的必要記載事項といいます。
以下が、就業規則の絶対的必要記載事項です。
就業規則の絶対的必要記載事項
①.始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項は必ず就業規則に記載しなければなりません。
②.賃金(臨時の賃金等を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項は必ず就業規則に記載しなければなりません。
③.退職に関する事項(解雇の事由を含む。)は必ず就業規則に記載しなければなりません。
また、就業規則の絶対的必要記載事項のほかに、その事業場で採用されている制度などがあれば、これも必ず就業規則に記載しなければなりません。
これを就業規則の相対的必要記載事項と、いいます。
以下が、就業規則の相対的必要記載事項です。
就業規則の相対的必要記載事項
①.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
②.臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
③.労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
④.安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
⑤.職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
⑥.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
⑦.表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
⑧.前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に記載しなければなりません。
(5).職場のトラブル傾向を押さえた就業規則の作り方
次に就業規則の作成上の注意事項をご説明します。
就業規則は、一度作ってしまえば安心。
と言うものではなくて、近年、労働法に関する法改正が相次いでいることから、これらの改正に対応した就業規則のアップデートが必要になってきています。
たとえば、
セクハラに関するH19年の男女雇用機会均等法
H22年の労働基準法
H24年の労働契約法・高年齢者雇用安定法・障害者虐待防止法
H27年パートタイマー法
H28年の障害者雇用促進法
H29年の育児介護休業法・男女雇用機会均等法・個人情報保護法
の改正が行われており、それぞれの改正法に対応した就業規則にしなくてはなりません。
それでは以下、具体的に終業規則の作り方を見てゆきましょう
適用範囲を明確にする
最近は、短時間正社員や勤務地限定社員と呼ばれる雇用形態が出てきました。
また、労働契約法18条により無期転換した労働者に対して、従来の非正規社員の就業規則を無期転換後もそのまま流用しても無理が生じやすいです。
よってまず最初に、就業規則の適用範囲を明確にする必要があります。
次に無期転換者に適用される規定を明らかにする必要があります。
たとえば、
〇 非正規の時と同一の労働条件にする場合
〇 無期転換従業員就業規則を別に定めた場合
の2種類が考えられますので、どちらを採用するかを決める必要があります。
(6).就業規則のよくある質問
就業規則にまつわる、よくある質問をまとめました。
【就業規則のよくある質問】は、こちらをご覧ください
【こんな就業規則はダメ!就業規則チェックポイント】は、こちらをご覧ください
(7).岐阜ひまわり事務所が就業規則についてお手伝い出来ること
岐阜ひまわり事務所では、就業規則の作成・就業規則の変更・就業規則の届出を行っております。
また、パートタイム労働者につきましても就業規則の作成・就業規則の変更・就業規則の届出を行っております。
派遣労働者の就業規則の作成・就業規則の変更・就業規則の届出を行っております。
岐阜ひまわり事務所の強み
岐阜ひまわり事務所が選ばれる理由は、就業規則の作成だけでなく、会社の労務内容や労働、雇用条件又は労働者の賃金計算方法が変わった場合など変更事由が生じた場合にも労働基準監督署への届出も行っております。 必要記載事項はもちろんのこと、 従業員の情報管理や給与計算や労務管理や労働時間の管理も行っております。
3.労働保険と助成金
労働保険には、「労災保険」と「雇用保険」とがあります。
それぞれ加入要件等が定められております。
適切に労働保険に加入しないと、助成金は絶対に受給できません
よって、以下に、「労災保険」と「雇用保険」について説明しますので「労災保険」と「雇用保険」を適切に加入してください。
(1).労災保険
会社には、従業員が仕事中に負傷、疾病、障害、死亡した場合には、従業員や遺族の生活を補償してあげる義務があります。
と、労働基準法が定めています。
具体的には、
療養補償
療養に必要な全費用を補償する義務があります
休業補償
休業1日につき平均賃金の60%を補償する義務があります
障害補償
障害の程度に応じて平均賃金の1,340日~50日分を一時金で補償する義務があります
遺族補償
遺族に対して平均賃金の1,000日分を一時金で補償する義務があります
葬祭料
葬祭を行うものに対して平均賃金の60日分を一時金で補償する義務があります。
会社にとってこの補償を行うことは経済的に重荷になりますので、政府が管掌している保険、労災保険に加入することになります。
労災保険は、業務上や通勤途中に、労働者がけがや病気で障害が残ったり、 死亡したときに、労働者やその遺族のために必要な保険給付を行います。
Ⅰ.適用事業と適用労働者
労災保険は、一般の従業員はもとより、パートタイマー、アルバイト、日雇、嘱託など、その事業所で働く全ての労働者が対象となります。
このように労災保険は、労働者を使用する全ての事業に強制的に適用されます。
ただし、農林水産業の一部は、 暫定的に任意適用事業とされています。
また、本来労災保険の適用がない者の一部についても、労災保険の保護を図る「特別加入」の制度もあります。
① 強制適用事業
一人でも労働者を雇用して事業を行っていれば、当然に労災保険の保険関係が成立する事業をいいます。
加入・脱退の自由は認められません。
② 暫定任意適用事業
事業主の保険加入の申請があり、認可された場合に保険関係が成立する事業をいいます。
個人経営の 農林水産業で、使用する労働者が5人未満の事業が該当します。
③ 特別加入
中小事業主、自営業者(個人タクシーの運転手、大工・左官)などが一定の条件を満たしたときに対象となります。
Ⅱ.業務災害とは
労災保険の対象となる業務災害とは、労働者の仕事中の負傷、疾病、障害または死亡をいいます。
そして、業務災害であるかどうかは、
① 労働者が労働契約に基いて事業主の支配下にある状態(業務遂行性)と、
② 業務に起因して事故等が起こり、その災害によって傷病等が発生した(業務起因性)
という2要件から判断されます。
つまり、業務、事故、傷病の間に、相当因果関係がなければ業務上の事由とは認められません。
Ⅲ.通勤災害とは
通勤災害とは、労働者が通勤途中に被った負傷、疾病、障害または死亡をいいます。
この場合の通勤とは、「就業に関し、住居と就業の場所との間を往復すること」をいい、その通勤が「合理的な経路 および方法」であり、「業務の性質を有するものを除く」ことになっています。
また、「逸脱・中断」があった場合には、その逸脱・中断の間とその後は通勤とは認められません。
ただし、 日用品の購入など日常生活上やむを得ない行為を、最小限の範囲で行う場合は、通常の経路に戻った後は通勤と認められます。
このように、通勤災害とされるためには、その前提として、労働者の住居と就業の場所との間の往復が、労災保険法の 通勤の要件を満たしていることが必要となります。
Ⅳ.労災保険の給付
労災保険で受けられる給付には次のようなものがありますが、業務上災害のときは「補償給付」、通勤災害の場合は 単に「給付」という名称がついています。
また、労災保険には、労働福祉事業として特別支給金の制度があり、以下の給付に上乗せされて、特別支給金が支給されるものもあります。
① 病気・けがをしたとき→ 療養補償給付(療養給付)
業務上災害・通勤災害により、病気やけがをしたときに、必要な医療を受けることができます。
業務上の場合は無料で、通勤災害の場合は200円の一部負担金が必要となります。
原則は、労災指定病院に「療養(補償)給付たる療養の給付請求書」を提出して、現物給付を受けますが、指定病院が近くになかった場合は、一旦立替払いをして、払い戻しの手続をします。
② 病気・けがで会社を休んだとき → 休業補償給付(休業給付)
傷病の治療のため4日以上会社を休み賃金が支給されないとき、休業4日目から支給されます。
1日につき給付基礎日額の60%が支給されます。
この他に、20%の休業特別支給金が支給されます。
給付を受けるときは、「休業(補償)給付支給請求書」に事業主と医師の証明を受けて労働基準監督署に提出します。
③ 病気・けがが1年6ヵ月経っても治らないとき → 傷病補償年金(傷病年金)
業務上災害・通勤災害による病気やけがが、1年6ヶ月経っても治らず、傷病の程度が傷病等級に該当するときは、休業補償給付(休業給付)に代えて年金が支給されます。
「傷病の状態等に関する届書」に医師の診断書を添えて、労働基準監督署に提出します。
④ 傷害が残ったとき → 障害補償給付(障害給付)
・ 障害補償年金(障害年金)
業務上災害・通勤災害による傷病が治った後に、障害等級第1級から第7級までに該当する障害が残った場合は、障害の程度により、給付基礎日額の313日分から131日分の年金が支給されます。
・ 障害補償一時金(障害一時金)
業務上災害・通勤災害による傷病が治った後に、障害等級第8級から第14級までに該当する障害が残った場合は、障害の程度により、給付基礎日額の503日から56日分の一時金が支給される。
給付を受けるときは、「障害(補償)給付支給請求書」に医師の診断書等を添えて、労働基準監督署に提出します。
⑤ 死亡したとき → 遺族補償給付(遺族給付)・葬祭料(葬祭給付)
・ 遺族補償年金(遺族年金)
業務災害・通勤災害により死亡したとき、遺族の数等に応じて、給付基礎日額の245日から153日分の年金が支給されます。
「遺族(補償)年金支給請求書」に死亡診断書等を添えて、労働基準監督署に提出します。
・ 遺族補償一時金(遺族一時金)
遺族(補償)年金を受けられる遺族がいないとき、年金を受けている人が失権し、他に年金を受けられる人がいない場合で、 すでに支給された年金の合計額が給付基礎日額の1000日分に満たないときは、一時金が支給されます。
「遺族(補償)一時金支給請求書」に死亡診断書等を添えて、労働基準監督署に提出します。
・ 葬祭料(葬祭給付)
葬祭を行った者に315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額が支給されます。
「葬祭料(葬祭給付)請求書」に死亡診断書等を添えて、労働基準監督署に提出します。
⑥ 介護をうけているとき → 介護補償給付(介護給付)
障害(補償)年金または傷病(補償)年金受給者のうち第1級の者または第2級の者で、現在介護を受けている者に支給されます。
Ⅴ.自動変更対象額
補償額を算出するのに、給付基礎日額を使います。
給付基礎日額とは、原則として労働基準法12条に規定する平均賃金に相当する額とされています。
しかし、労働者によっては事情により給付基礎日額が極端に低い場合もありますので、それでは被災労働者の補償が充分にできなくなります。
そこで、補償の実効性を確保するため、給付基礎日額の最低保障額を定めることにしました。
この最低保障額を難しい言葉で自動変更対象額と言います。
この自動変更対象額は、毎月勤労統計の平均給与額の変動に応じて、変更することとされています。
(2)雇用保険とは
雇用保険は、労働者が失業した場合に、その生活を守り、早く再就職できるように援助したり、定年後の再雇用育児・介護による休業などで賃金が低くなってしまった人を援助することを目的とした、国が運営する保険です。
Ⅰ.適用事業
雇用保険は、労働者を雇用するすべての事業に適用されます。
ただし、農林水産業の一部については、 当分の間は、常時5人未満の労働者を雇用する個人経営の事業は任意適用とされています。
Ⅱ.被保険者となる人
雇用保険の適用事業で働く労働者は、原則、その意思にかかわらず強制的に被保険者となります。
ただし、65歳に達した日以後新たに雇用されている人、4ヶ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される人などは雇用保険の適用除外となるなど、雇用形態等により被保険者とならない場合もあります。
Ⅲ.被保険者の種類・範囲
① 被保険者の種類
被保険者には次の4つの種類があります。
・ 一般被保険者
適用事業に雇用される者
・ 高年齢継続被保険者
同一の事業主の適用事業に65歳に達する以前から引続いて雇用されている者
・ 短期雇用特例被保険者
季節的に雇用される者または短期の雇用に就くことを常態とする者
・ 日雇労働被保険者
被保険者である日雇労働者のことで、日々雇用される者または、30日以内の期間を決めて雇用される者
② パートタイマーの場合
パートタイマーとは、一週間の所定労働期間が、その会社の一般の労働者より短かく、かつ40時間未満である者をいいます。
次のいずれにも当てはまる場合に限り、被保険者となります。
・ 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・ 30日以上引続き雇用される見込みがあること
・ 労働時間、賃金、その他の労働条件が就業規則や、雇用契約書、雇入通知書等に明確に定められていること
Ⅳ.会社で行う各種事務
① 従業員を雇用したとき
従業員を雇用したときは、事業所を管轄する公共職業安定所に「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
提出期限は入社した日(資格取得日)の属する月の翌月10日までです。
被保険者になったことを確認するために、労働者名簿、タイムカード等の添付書類が必要となります。
② 被保険者が退職したとき
被保険者が退職して被保険者でなくなったときは、退職した日の翌日から10日以内に、会社を管轄する公共職業安定所に 「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。
資格喪失届を提出するときは、退職する被保険者に「離職証明書」が必要かどうかを確認してください。
Ⅴ.雇用保険の給付
① 退職し失業状態になったとき → 求職者給付
求職者給付は、被保険者が離職し失業状態にある場合に、失業者の生活を安定させ求職活動を容易にするために支給されるものです。
・ 基本手当
一般被保険者が失業し、一定の受給要件を満たした場合は、失業している日について基本手当を受給できます。
基本手当を受けられる期間は、原則として離職の日の翌日から1年間となっていますが、その間に出産、病気などで 30日以上働くことができないときは、申請により、その日数だけ(最大3年)受給期間を延長することができます。
基本手当の日額は、離職前の賃金日額のおよそ50%~80%で、年齢別に上限額が設定されています。
給付日数は、離職理由や被保険者期間等に応じて、90日から360日の間で決まります。
・ 技能習得手当
公共職業安定所の指示により職業訓練を受けたときは、その期間支給されます。
・ 寄宿舎手当
職業訓練を受けるために、同居家族と別居して寄宿する場合に支給されます。
② 再就職が決まったとき → 就業促進手当
離職後、公共職業安定所に失業と認定され求職の申込みをしているときに、再就職が決まり、一定の要件を満たした場合に、 支給を受けることができます。
・ 再就職手当
受給資格者が常用として就職したとき
・ 常用就職支度手当
45歳以上の人や障害者その他の就職困難者に該当する受給資格者が常用として就職したとき
・ 就業手当
受給資格者が「再就職手当」に該当しない、常用以外の形で就職したとき
③ 教育訓練を受講したとき → 教育訓練給付
一定の条件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)、または被保険者であった者(離職後1年以内)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、修了した場合にはその受講料の一定の割合が支給されます。
④ 高齢になり賃金が下がったとき → 高年齢雇用継続給付
60歳以上65歳未満の一般被保険者で、被保険者期間が5年以上ある人が、60歳時点に比べて賃金額が75%未満になった場合、 新しい賃金の15%を上限に支給されます。
高年齢雇用継続給付は、60歳以降被保険者として引き続き雇用されるときに支給される「高年齢雇用継続基本給付金」と、基本手当等を受給後再就職して被保険者になったときに支給される「高年齢再就職給付金」があります。
⑤ 育児で休んだとき → 育児休業給付
育児休業給付は、1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した被保険者に給付されます。
育児休業開始前2年間に、賃金の支払いの基礎となった日が11日以上ある月が12ヵ月以上あることが必要となります。
育児休業中に、休業前賃金日額の30%相当額が「育児休業基本給付金」として、職場復帰後に、休業前賃金日額の20%相当額が 「育児休業者職場復帰給付金」として、支給対象となった日数分支給されます。
⑥ 介護で休んだとき → 介護休業給付
介護休業給付は、対象家族を介護するために介護休業を取得した被保険者に給付されます。
対象となる家族は、配偶者、父母、配偶者の父母、子供、被保険者と同居しかつ扶養関係にある祖父母、兄弟、孫などです。
介護休業開始前2年間に、賃金の支払いの基礎となった日が11日以上ある月が12ヵ月以上あることが必要となります。
休業前賃金日額の40%相当額が、支給対象となった日数分支給されます。
労働保険の適切な加入手続は、岐阜ひまわり事務所にお任せ下さい
岐阜ひまわり事務所では、会社設立から助成金申請・許可申請・給与計算・労務管理まで御社の総務・人事部門を担当し経費節減にご協力できます。
岐阜ひまわり事務所の強み
岐阜ひまわり事務所が選ばれる理由は、労働保険だけでなく社会保険の加入手続きもあわせて行っているだけでなく、労災保険の手続きの方法や処理も行います。
3.社会保険と助成金
社会保険には、「健康保険」と「厚生年金保険」とがあります。
適切に社会保険に加入しなければ、助成金は絶対に受給できません
よって、以下に、「健康保険」と「厚生年金保険」について説明しますので助成金受給のために、適切に加入してください。
お電話いただければ、私たちが応対します。
3.健康保険とは
健康保険は、仕事中や通勤途中以外で、病気、けが、出産、死亡した時に、保険給付を行います。
本人だけでなく、その者に扶養されている家族も、保険給付を受けることができます。
(1)健康保険の給付
健康保険では、被保険者同様、被扶養者も保険給付を受けることができます。
ただし、被扶養者は収入がないので、休業中の給与を補償する傷病手当金と出産手当金については給付がありません。
Ⅰ.病気やけがをしたとき
① 療養の給付
健康保険証を病院の窓口に提示すれば、必要な医療を受けることができます。
70歳未満までは医療費の7割が給付され、残りの3割が自己負担となります。
② 療養費
国外で医療を受けた等、やむを得ない事情で療養の給付を受けることができなかった場合は、一旦全額を 自費で支払ったあとで、一部負担金額を除いた一定額について療養費の支給を受けることができます。
③ 高額療養費
重い病気などで長期の入院をした等、医療費の自己負担額が高額となった場合、家計の負担を軽減するために一定の金額を越えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。
所得に応じて、一月ごと・同一医療機関ごとの自己負担額が、一定の限度額を超えたとき、その超えた額が高額療養費として支給されます。
④ 傷病手当金
傷病手当金は、被保険者が病気やけがのため働くことができず、連続して3日以上仕事を休んでいるとき4日目から支給されます。
支給額は、1日につき標準報酬日額(標準報酬月額の30分の1)の3分の2の額となります。
支給期間は、支給を開始した日から1年6ヵ月の期間で、その間に傷病手当金を受けなかった期間があっても1年6ヵ月を過ぎたら同じ病気では傷病手当金は受けられません。
Ⅱ.出産したとき
① 出産育児一時金
被保険者が妊娠4ヵ月(85日以降)で出産(早産・死産を含む)したときは、一児について35万円の出産育児一時金が支給されます。
② 出産手当金
被保険者が出産で仕事を休み、報酬を受けられないときは、出産の日以前42日から、出産の日の翌日以後56日目まで、休んだ期間について出産手当金が支給されます。
支給額は、1日につき標準報酬日額の3分の2の額となります。
Ⅲ.死亡したとき
① 埋葬料
保険者が死亡したときは、埋葬を行う家族に一律5万円の埋葬料が支給されます。
② 埋葬費
家族以外の人が埋葬を行った場合は、5万円の範囲内で実費が、埋葬を行った人に埋葬費として支給されます。
Ⅳ.退職したあとの給付
退職などで被保険者でなくなった後でも、退職前の被保険者期間、退職後の月数等一定の条件が整えば傷病手当金・出産手当金の継続給付、埋葬料・出産育児一時金の受給等が可能となります。
4.厚生年金保険とは
厚生年金保険は、被保険者が年をとって働けなくなったり、病気やけがで障害が残ったり、不幸にして亡くなり、 遺族が困窮した場合に保険給付を行い、被保険者とその遺族の生活を救済することを目的としています。
(1)厚生年金保険の給付
厚生年金保険は、昭和61年4月の法律改正による基礎年金制の導入により、国民年金から支給される基礎年金(1階部分)の上乗せ給付(2階部分)を受け持つことに
なりました。
例えば、老齢年金については、国民年金から老齢基礎年金を、厚生年金保険からはその上乗せ給付として老齢厚生年金を支給します。
Ⅰ.老齢になったとき
① 特別支給の老齢厚生年金(60歳~64歳)
厚生年金保険に1年以上加入していた人が、国民年金の老齢基礎年金を受けられる受給資格期間があるときに生年月日等に応じて定められている支給開始年齢から(60歳から64歳)、65歳になるまで支給されます。
② 在職老齢年金(60歳~)
国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていれば、在職中で厚生年金の被保険者であっても老齢厚生年金を受給できる場合があります。
しかし、給与等と年金月額の合計金額によっては、年金が一部または全部支給停止されます。
③ 老齢基礎年金(65歳~)
保険料納付済期間、保険料免除期間、合算対象期間を合わせて25年以上ある人が65歳になると国民年金から支給されます。
保険料を納めた期間が長ければ長いほど(上限480月)年金額は多くなります。
④ 老齢厚生年金(65歳~)
厚生年金保険に加入していた人が、65歳になって国民年金の老齢基礎年金を受けられる受給資格期間を満たしているときに、老齢基礎年金に上乗せして支給されます。
年金額は、加入期間の長さや給料の額に応じて決まります。
Ⅱ.障害が残ったとき
① 障害基礎年金
国民年金に加入中などの病気やけがで障害が残り、初診日の前日において、初診日の前々月までに保険料を納めた期間(免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あるときに支給されます。
障害基礎年金は1級と2級のみです。
② 障害厚生年金・障害手当金
厚生年金保険に加入中の病気やけがで障害が残り、初診日の前日において、初診日の前々月までに保険料を納めた期間(免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あるときに支給されます。
障害厚生年金は、障害基礎年金に上乗せして受けられる1級、2級以外に障害等級3級があります。
また、障害の程度が軽いときは、障害手当金(一時金)が支給されます。
Ⅲ.死亡したとき
① 遺族基礎年金
国民年金加入中などに亡くなり、死亡日の前日において死亡日の前々月までに保険料を納めた期間
(免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あるときに、生計を維持されていた子のある妻または子に支給されます。
遺族基礎年金が支給される子とは、18歳未満(到達年度の末日まで)、または一定の障害のある20歳未満の子を言います。
② 遺族厚生年金
厚生年金保険に加入中などの人が亡くなり、死亡日の前日において死亡日の前々月までに保険料を納めた期間(免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あるときに、生計を維持されていた妻、子、夫、父母、孫、祖父母に支給されます。
5.適用事業
社会保険は、事業所を単位に適用されます。
社会保険の適用を受ける事業所を適用事業所といい、法律により 加入が義務付けられている「強制適用事業所」と、任意で加入する「任意適用事業所」の2種類があります。
助成金の受給のために、適正な社会保険の加入手続は岐阜ひまわり事務所にお任せ下さい
(1)強制適用事業所
常時5人以上の従業員が働いている事業所と、5人未満でも全ての法人事業所は、事業主や従業員の意思に関係なく加入しなくてはなりません。
なお、5人未満の個人事業所と、5人以上でも次の業態の事業所は、強制加入とはなりません。
(2)被保険者となる人
適用事業所に使用されている人は、原則として、すべて被保険者となります。
この「使用される人」とは、実際にその事業主のもとで使用され、労働の対償として給料や賃金を受け取っている人を 言います。
事業主との間に使用関係のない、非常勤の顧問、監査役などや、個人経営の事業主は被保険者になりません。
また、パートタイム労働者の場合は、常用的使用関係にあるかどうかで判断され、所定労働時間と所定労働日数が、どちらも通常の労働者の4分の3以上である場合に被保険者となります。
例外として、被保険者とならない人は、
① 船員保険に加入している人
② 国民健康保険組合に加入している人
③ 日々雇い入れられる人
④ 2ヵ月以内の期間を定めて雇われる人
⑤ 季節的業務に4ヵ月以内の期間雇われる人
⑥ 臨時的事業に6ヵ月以内の期間雇われる人などです。
(3)被扶養者となる人
健康保険では、被保険者に扶養されている家族が病気やけがをしたときにも、必要な保険給付を行います。
この保険給付が行われる扶養家族を「被扶養者」といいます。
Ⅰ.被扶養者の範囲
被扶養者となれるのは、被保険者の三親等内の親族で、主として被保険者の収入によって生計を維持している次のような人です。
① 生計維持のみ
被保険者の直系尊属(父母、祖父母)、配偶者(内縁も可)、子、孫、弟妹
② 生計維持 + 同一生計(住居・家計を共にすること)
①以外の三親等内の親族
(兄、姉、伯叔父母、甥姪などとその配偶者、孫・弟妹の配偶者、配偶者の父母・子)内縁関係にある配偶者の父母・子(配偶者の死亡後も可)
Ⅱ.生計を維持されている人とは
① 被保険者と同一世帯の場合
② 被保険者と同一世帯でない場合
年間収入が130万円未満で、かつ被保険者からの仕送額より少ない場合は、原則として被扶養者になります。
③ 60歳以上の高齢者・身体障害者の場合
年収の基準が「180万円未満」となります。この年収には、各種年金なども含まれます。
(3)会社で行う各種事務
Ⅰ.従業員を雇用したとき
被保険者になる人を採用したときは、事業主は資格取得の日から5日以内に、社会保険事務所に
「被保険者資格取得届」を提出します。
届が受理されると、事業所に「被保険者標準報酬決定通知書」と「健康保険被保険者証」が交付されます。
Ⅱ.被保険者が退職したとき
従業員が退職して被保険者でなくなったときは、事業主は資格喪失の日から5日以内に、社会保険事務所に 「被保険者資格喪失届」を提出し、「健康保険被保険者証」を返却します。
資格喪失日は退職日の翌日となります。
(4)社会保険料の算定・納付
Ⅰ.標準報酬月額
健康保険や厚生年金保険では、保険料や保険給付の額を、被保険者が受ける報酬の額を基礎として算定します。
そこで、毎月の給料などの報酬を区切りのよい幅で区分した「標準報酬月額」を設定しています。
また、賞与の保険料については、上限金額を設定したうえで、「標準賞与額」に、保険料率を掛けて算出します。
【社会保険料の「賞与」の取扱いが明確化されました】は、こちらをご覧ください
Ⅱ.標準報酬月額の決め方
標準報酬月額の決め方には、次の4通りの方法があります。
① 資格取得時決定
新しく被保険者の資格を取得した従業員の標準報酬月額は、被保険者資格取得届を基礎にして決め、入社の時期によりその年または翌年8月まで有効とします。
② 定時決定
報酬は昇給などで変動するので、現在の報酬に対応した標準報酬月額とするため、全ての被保険者について、 毎年1回、標準報酬月額の見直しをします。
これを、「算定基礎届」による「定時決定」といいます。
対象となるのは、7月1日現在の被保険者で、4月、5月、6月の報酬を平均して新しい標準報酬月額を決定しその年の9月から翌年8月まで適用します。
③ 随時改定
定時決定で決まった標準報酬月額は、原則として次の定時決定まで変わりません。
しかし、大幅な昇給、降給により報酬の額が著しく変動する場合は、標準報酬月額の改定を行うことが出来ます。
これを「月額変更届」による「随時改定」といいます。
随時改定は、次の3つの条件全てに当てはまる場合に、変動があった月から4ヵ月目に行われます。
・昇(降)給などで、固定的賃金に変動があったとき
・変動月以後引き続く3ヵ月間とも支払い基礎日数が17日以上あるとき
・変動月から3ヵ月間の報酬の平均額と現在の標準報酬月額に2等級以上の差が生じたとき
④ 育児休業等終了時の改定
被保険者が、育児休業期間を終了して、職場に復帰したときに、時間外労働をしないことなどで報酬が休業前と比べ 変動する場合があります。
このような場合、随時改定に該当しなくても「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出して終了後の3ヵ月間の 報酬月額の平均で標準報酬月額を改定することが出来ます。
Ⅲ.報酬となるもの
標準報酬月額の算定の基礎となる「報酬」とは、賃金、給与、俸給、手当、賞与、その他名称を問わず労働者が 労働の対償として受けるもの全てです。
通勤手当も、社会保険では、全額報酬となります。
現物で支給される食事や住宅、通勤定期券も報酬に含まれます。
ただし、3ヵ月を超える期間ごとに受ける賞与は含みません。
Ⅳ.保険料
① 健康保険
保険料は、事業主と被保険者とが折半で負担します。
事業主は、被保険者に支払う給料から被保険者負担分の保険料を引いて、事業主負担分と合わせて保険者に 納付する義務があります。
負担割合は、事業主負担分を増やすことはできますが、上限が決まっています。
② 厚生年金保険
厚生年金保険の保険料も、健康保険と同様、事業主と被保険者が折半で負担します。
○ 育児休業期間中の保険料免除
被保険者が育児休業等を取得したときは、健康保険・厚生年金保険の保険料が事業主・被保険者負担分共に免除されます。
事業主は、「育児休業等取得者申請書」を社会保険事務所に提出します。
事業主は、毎月の保険料を、翌月末までに納付する義務を負っています。
被保険者の当月分の給与から控除できるのは、前月分の保険料です。
事業主は、控除した前月分の保険料を、 前月分の事業主負担分と併せて、月末までに納付します。
保険料は、被保険者資格を取得した月から、資格を喪失した月の前月分まで、月単位で納めます。
月単位で計算するので、入社した日が1日でも、31日でも、丸々1ヵ月分が徴収されます。
また、資格を喪失した日というのは退職日の翌日なので、月末に退職した場合は、退職月の保険料が徴収されます。
6.社会保険のよくある質問
質問1:交通事故など第三者行為でケガをしたときは健康保険が使えますか?
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