R7 処遇改善加算 実地指導ではここが見られる !

処遇改善加算　実地指導ではここが見られる　!

コロナ禍が明け、介護事業者・障害福祉事業者への実地指導が本格化してまいりました。

ひまわり事務所でも令和7年になり、週に1．2回の頻度で顧問先様への実地指導に立ち会っております。

あくまで私の肌感覚ですが、以前は実地指導に於いて処遇改善加算に係る書類の確認等は皆無に近かったのですが、令和6年に入りましたら実地指導に於いて処遇改善加算についても書類等の確認が行われるようになり、令和7年になりましたら、かなり細かくみられるようになってきた気がします。

ここでは、実地指導に於いて、処遇改善加算について確実に調査される点の4っをご案内いたします。

実地指導でここが見られる　その1
受給した処遇改善加算を基本給に埋め込んで支給していないか？

以前は、受給した処遇改善加算を基本給として支払っていたとしても何も言われませんでした。
ですので、例えば、
「基本給20万円の中に処遇改善加算の分配金も含まれています」
との抗弁も通用しました。

しかし令和6年くらいから、上記例の「基本給20万円の中に処遇改善加算の分配金も含まれています」との抗弁では、
『基本給20万円の内、幾らが処遇改善加算の分配金なのかが不明』
と、実地指導に於いて指摘されるようになりました。

ですので、処遇改善加算の分配金の額を明確にする必要がありますので、　処遇改善加算の分配金を基本給に含ますのではなく【処遇改善加算手当】などの名称で手当として支給した方が良いです。

実地指導でここが見られる　その2
処遇改善加算の分配金の支給方法を根拠規定に記載してあるか？

上記【その2】で、【処遇改善加算手当】などの名称で手当として支給した方が良いです。と記載しましたが、その旨を就業規則や賃金規程などの根拠規定に記載する必要があります

たとえば、賃金規程に

賃金規程　第〇条
処遇改善加算手当は、処遇改善加算を原資として処遇改善加算計画書に基づき支給する

と記載します。

実地指導時では、就業規則や賃金規程などにその記載があるかを確認されます

実地指導でここが見られる　その3
処遇改善加算を分配する前の賃金額が最低賃金を上回っているか？

労働法では、処遇改善加算の分配金を含んで最低賃金を上回っていれば問題はないのですが、
介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法に基づく行政解釈では、
処遇改善加算の分配金を除いた額が最低賃金を上回っている必要があります　

たとえば、岐阜県の令和7年度の最低賃金は1,001円/時間ですが、
【時給900円　処遇改善加算の分配金200円　合計　時給1,100円】と言う支払い方は、労働法では大丈夫なのですが、介護保険法・障害者総合支援法・児童福祉法に基づく行政解釈では、「最低賃金割れ」　とされてしまいます

実地指導の際には、一番時給が少ない従業員の賃金台帳が確認され、上記のような最低賃金割れになっていないか？　が確認されます。
賃金台帳が確認され最低賃金を割っていましたら、遡って差額の賃金を支払うように指導されます
但し、令和7年になり、指定権者が‘「愛知県」「名古屋市」の場合、実地指導時にここまで確認されるようになりましたが、岐阜県・岐阜市・一宮市などは、令和7年1月現在では実地指導でそこまで確認されていないことを追記しておきます

実地指導でここが見られる　その4
処遇改善加算を会社役員に分配していないか？

以前までは、指定権者によっては、現場に入っているのであれば会社役員であっても処遇改善加算を分配していても何も言われませんでした。
しかし、令和6年くらいから、どこの指定権者であっても　会社役員に処遇改善加算を分配していると指摘を受けるようになりました。

以上が、【実地指導で見られる処遇改善加算のポイント4っ】なのですが上記の4っに違反していたとしても、令和7年2月現在では、処遇改善加算の返還命令を受けたj業者は、私の知る限りで一社もありませんでしたことも付け加えておきます