文責 社会保険労務士矢島
働きながら障害年金はもらえるの？①
第1話 私のもらえる障害年金はどちら？
障害をお持ちで助成金対象者として入社されている方などが、働きながら障害年金はもらえないのではと、年金の請求申請を躊躇していらっしゃるのでしたら、障害年金は働きながらでも受給できる場合が多いですので、ぜひ申請していただきたいと思います。
事業主サイドでも、相談に乗っていただき、後押ししてあげてください。
アドバイスの手助けになりますように、月1間隔で障害年金についてご案内させていただきます。
障害年金とは ?
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、若い方も含めて受け取ることができる年金です。
障害年金には、厚生年金としての「障害厚生年金」と、一般的に国民年金といわれている 「障害基礎年金」の以下の2種類があります。
| 1級 | 2級. | 3級 | ||
| 障害厚生年金 (厚生年金) |
障害厚生年金 (1級) |
障害厚生年金 (2級) |
障害厚生年金 (3級) |
障害手当金 (一時金) |
| 障害基礎年金 （国民年金） |
障害基礎年金 (1級) |
障害基礎年金 (2級) |
傷害の程度としては1級が一番重く、厚生年金は3級まで、基礎年金は3級より程度の重い2級までになります。
また、厚生年金には3級よりも軽い障害が残った場合の一時金として、「障害手当金」を受け取ることができる制度もあります。
そして、障害厚生年金1・2級を受給できる場合は、｛基礎も｝ということで、原則として障害基礎年金の1・2級も合わせて受け取るができます。
ですので、障害厚生年金を受給できる場合の方が、受給金額の面でも、受給機会の面でもより手厚いとも言えます。
ということで、障害厚生年金・障害基礎年金のどちらの年金を請求できるかが重要になりますが、その判断は、その障害の原因となった病気やけがで初めて医師または歯科医師等の診療を受けた時（これを初診日といいます）に、厚生年金に加入していたか、もしくは国民年金に加入していたかで決まることになります。
つまり、請求時にお勤めをされていて厚生年金に加入していたとしても、初診日が入社前の国民年金加入中でしたら、障害基礎年金しか請求できないのです。
その逆で、厚生年金加入中に、体調が悪いのにかかわらず病院に行くのを我慢して、退職後国民年金に加入してから初めて病院に行き、その病気で障害年金ということになれば、障害基礎年金しか受給できないということになります。
厚生年金加入中に発症していたと本人がいくら申し立てても、初診日の認定は医療機関の証明によってでしか認められません。必ず受診していなくてはならないのです。
もしも、従業員の方が体調不良時に退職を考えていらしたら、本人の健康のためにも早めの受診は大切ですし、ぜひ、厚生年金加入中に病院に行くように勧めてあげてください。
以上のように、初診日というものは大変重要なものなのですが、障害の種類によっては、その原因になった病気の初診日の判断が難しいものもあります。
また、障害年金を受給できるには、他に年金保険料の納付要件等、いくつか条件もあります。
その他に、生まれつきの病気による障害だった場合の加入年金の判断はどうなるのか、いくら位受給できるものなのかなど、今後ご説明したい点が多数ございますので、引き続き、ご案内をさせていただくつもりです。
次回をお待ちください。
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